95gだった小さなノアを保護してから、わが家の生活は一気に変わりました。
3時間おきのミルク。
温度管理。
排泄のお世話。
「生きてほしい」
その気持ちだけで、必死にノアのお世話をしていたと思います。
でも、
翌日体重を測った私は、思わず言葉を失いました。
95gあったノアの体重が、
86.5gに減っていたのです。
焦る私とは反対に、
ノアは小さな手足をバタバタ。
その姿を見ながら、
「絶対にこの子を守る」
私は何度もそう思っていました。

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ノアがわが家に来て2日目
前日、動物病院で教えてもらった通りに、3時間おきのミルク生活が始まりました。
🍼深夜2:20
🍼朝5:20
🍼朝8:20
スマホには、ノアのためのアラーム時間がずらりと並んでいました。
その頃のノアのミルク量は、まだ1回2〜3mlほど。
ほんの少しの量なのに、上手に飲めないことも多く、毎回とても時間がかかりました。
それでも、
「少しでも飲んでほしい」
その気持ちだけで、私は必死だったと思います。
ミルクの後は、排泄のお世話。
お湯で濡らしたコットンで優しく刺激し、おしっこの色や回数も確認していました。
その日の記録を見ると、
- ✏️ミルク7回
- ✏️📱おしっこ8回(病院で1回含みます)
- ✏️📱うんち1回(スマホで写真記録)
小さなノアを中心に、わが家の時間が動いていたことがわかります。
ですが、2日目の朝。
体重を測った私は、思わず言葉を失いました。
95gあった体重が、86.5gに減っていたのです。

えっ……減ってる……

バタ!バタ!
焦る私とは反対に、ノアは小さな手足をバタバタ動かしていました。
午後には3ml飲めるようになっていたものの、体重が減っていることが不安でたまりません。
私は急いで動物病院に診察予約を入れ、1日目から書き始めていた記録ノートを持って、もう一度病院へ向かいました。
記録ノートを持って、もう一度動物病院へ
私は1日目から書いていた記録ノートを持参して、ノアの様子を説明しました。

95gあった体重が86.5gに減っていたことで、私はすっかり不安になっていました。

ミルクが足りていないのかな……
飲ませ方が悪いのかな……
そんなことばかり考えながら、急いで動物病院へ向かいました。
その時、1日目からつけ始めていたノアの記録ノートも一緒に持っていきました。
記録していたのは、
- ミルクの時間と量
- 排尿、排便の回数
- おしっこの色(スマホ写真記録)
- 体重の変化
今見返すと本当に簡単なメモですが、当時の私は必死で、少しでもノアの変化を見逃したくなかったんだと思います。
診察室で事情を説明すると、獣医さんは記録ノートを見ながら、ノアの様子を丁寧に確認してくれました。

※この画像はイメージです。
そして病院で体重を測ると、ノアは91g。
「昨日より少し減っているけど、ぐったりしている様子はないですね。」
そう言うとつづけて
「体重測定は、大体でいいので決まった時間に1日2回、たとえば朝からと午後は夕方というふうに測るとより正確に記録できますよ。」
そう言いながら、獣医さんはノアの様子を診て、カルテに細かく記録していきます。
私は、排尿や排便の状態も見てもらいたくて、スマホで撮っていた写真まで見せていました。
今思うとかなり必死だったと思います。
でも、獣医さんは驚きながらも、その記録をちゃんと確認してくれていました。
昨日は低すぎて測れなかった体温も、この日は測ることができました。
少し低めではありましたが、湯たんぽや毛布で保温していたことが良かったようです。
この頃の私は、「大丈夫」という言葉が欲しかったのかもしれません。
でも獣医さんは、簡単に大丈夫とは言いませんでした。
そのかわり、ノアの小さな命のために、今できることを一緒に探してくれていたんだと思います。
小さな命のために、今できることを探していた
この頃のノアは、まだ95gほどしかない、本当に小さな赤ちゃん猫でした。
目も開いていない。
へその緒もついたまま。
正直、私はずっと不安でした。
少し体重が減るだけで怖い。
ミルクの飲みが悪いだけで不安になる。
「この子、大丈夫なのかな……」
そんなことばかり考えていた気がします。
でも、診察のたびに感じていたのは、獣医さんも簡単に「大丈夫」とは言わないということでした。
そのかわり、
- ミルクの量
- 飲んだ回数
- 排尿、排便の状態
- 自宅での様子
私の記録ノートを見ながら、今できることをひとつずつ確認してくれていました。
私も必死でした。
病院からもらったプリントを何度も読み返して、寝床の温度や湿度を確認しながら、ノアのために必要なものを揃えていきました。

レンジで温める湯たんぽ。
小さな毛布。
体重を測るためのキッチンスケール。
少しでも安心できる環境を作ってあげたくて、できることは全部やろうと思っていました。
深夜2時、ミルク係の時間

深夜2:20
朝5:20
朝8:20
昼も夜も関係なく、3時間おきのミルク生活です。
でも、アラームと言っても音は鳴らしません。
設定はバイブレーションだけ。ヴォーン
深夜の静かな部屋に響く「ヴォーン…ヴォーン」という振動音は、いつしか私には“ノアが呼ぶ音”のように聞こえていました。
その振動ですぐに目が覚め、私は毎回そっとキャリーを覗き込みます。
一番最初に確認するのは、ノアのお腹。
小さな胸やお腹が動いているのを見ると、
「あ……息してる。よかった……」
毎回そんな気持ちになっていました。
深夜のキッチンは、とても静かでした。
ケトルのお湯が沸く「ボコボコ」という音。
哺乳器にお湯を注ぐ音。
ミルクの温度を調整するために流す水道水の音。
昼間なら気にならない音なのに、深夜だと全部が大きく聞こえます。
まず、哺乳器に温かいお湯を入れ、粉ミルクを計量して混ぜます。
その後、手首にミルクを少し落として温度を確認。
熱すぎてもダメ。
冷めすぎてもダメ。
小さなノアのために、毎回かなり慎重でした。
でも、まだノアは哺乳器を上手に吸うことができません。
口元に持っていくと少し飲んでくれることもありましたが、うまく飲めず、結局シリンジで飲ませることがほとんどでした。
その頃のノアのミルク量は1回3mlほど。
たった3ml。
でも、その3mlを飲むのに15分以上かかっていました。

途中で眠ってしまうノアを起こしながら、
「飲んで、飲んで、お願い……」
私は小さな声で何度もそう言っていました。
まだ上手に飲めないので、口の周りはミルクだらけ。
お湯で濡らしたコットンで口元を優しく拭きながら、
「母猫なら顔も舐めてあげるよね」
そんなことを思い、私も母猫になったつもりで小さな顔を拭いていました。
次は排泄のお世話です。
お湯を含ませたコットンで、お尻を優しくポンポンと刺激する。
すると、それまでバタバタ動いていた小さな足が、ピタッと止まります。
少しずつコットンの色が変わり始めると、
「うん、いい色」
私は毎回ほっとしていました。
お世話が終わると、ノアをキャリーへ戻します。
温度が下がった湯たんぽをレンジで温め直し、毛布やタオルを整える。
ノアは本当にいい子で、キャリーに戻るとまた静かに眠ってくれました。
その後は、使った哺乳器やシリンジ、顔やお尻を拭くために用意したお湯の容器などを全部洗い、次のミルクの時間にすぐ使えるよう準備して、私もまた少し眠ります。
ミルクは3時間おき。
でも、準備から片付けまで含めると30〜40分ほどかかるので、実際に眠れる時間は2時間ほどでした。
今思うと、かなりの睡眠不足だったと思います。
それでも、当時の私は不思議と「つらい」とは思っていませんでした。
ただ、
「この小さな命を守りたい」
その気持ちだけで動いていたんだと思います。
そして今では、そんなノアが私のベッドを堂々と占領しています。
しかも、私の足が近づくと本気で噛んできます。
かなり痛いです。
でも、そんな姿を見るたびに、
「あの95gの小さな子が、ここまで大きくなったんだなぁ」
と、しみじみ思っています。
ノアが少しでも安心できるように

当時のことを、記録ノートを見返しながら思い出していると、ノアの小ささが今でも鮮明によみがえります。
まだ目も開いていない。
へその緒もついたまま。
そんなノアを見ながら、私は何度も、
「本当なら兄弟姉妹と一緒にいたはずなんだよね」
そんなことを考えていました。
母猫にくっついて眠って、兄弟猫たちと体を寄せ合っていたはず。
だからこそ、キャリーの中でひとり眠るノアが、とても小さく、そして少し寂しそうに見えたのです。
そこで私は、家にあった黄色いくまのぬいぐるみをノアの横にそっと置いてあげました。
ノアと同じくらいの大きさの、小さなくまです。
少しでも安心できたらいいな。
ひとりぼっちじゃないと思ってくれたらいいな。
そんな気持ちでした。
病院へ行く時も、いつもそのくまをキャリーに入れていたので、診察の時に獣医さんが見てクスッと笑っていたのを覚えています。
実は、その黄色いくまは今でも家にあります。
大きくなった今でもノアは、そのくまを口にくわえて運んだり、自分の寝る近くに置いて眠ったりしています。
ペットカメラを見ると、くまをくわえたまま部屋をうろうろしていることもあり、「いいね〜👍また今日もくまちゃんと遊んでるやん」と思わず笑ってしまいます。
あの頃はただ、「少しでも寂しくないように」と思って置いただけでした。
でも今思うと、あの小さなくまも、ノアと一緒に時間を重ねてきた存在なのかもしれません。
当時の私は、とにかく必死でした。
少しでも安心できるように。
少しでも母猫の代わりになれるように。
できることは、なんでもしてあげたい。
そんな気持ちで、毎日ノアのお世話をしていました。
100gになった日、はじめて笑顔になれた

ノアがわが家に来て3日目。
その日も深夜から、いつも通り3時間おきのミルクが続いていました。
まだ上手には飲めません。
哺乳器を口元に持っていっても、少し吸っては眠ってしまう。
結局シリンジで少しずつ口に含ませながら、「飲んで、お願い」と何度も声をかけていました。
それでも、この頃には少しずつミルクの量が増えてきて、3〜4mlほど飲めるようになっていました。
そして朝。
私はいつものように、キッチンスケールを用意しました。
小さな箱を乗せ、その中にそっとノアを入れます。
毎回、この瞬間は本当に怖かったです。
増えていてほしい。
お願いだから減っていませんように。
そんな気持ちで、恐る恐る数字を見ました。
すると――
100g。
「増えてるやん!」
思わず大きな声が出ました。
95gから始まり、一度は86.5gまで減ってしまった体重。
毎日、不安ばかりだった私にとって、“100g”という数字は本当に大きなものでした。
今思えば、たった100gです。
でも当時の私には、その数字がとても嬉しくて、はじめて少しだけ笑顔になれた日でした。
そして4日目。
この日も病院へ行き、前日の体重やミルクの量、回数などを報告しました。
帰宅してから、いつものようにキャリーの中を覗くと、小さなへその緒がコロンと落ちていました。
「あっ、取れてる!」
思わず笑ってしまいました。
へその緒が落ちたことも、「ちゃんと成長してるんだ」と感じられる嬉しい出来事でした。
さらに午後の体重測定では、111gに。
少しずつですが、確実にノアは大きくなっていました。
そして私は、少し調子に乗ります。
「もしかして、哺乳器でも飲めるんじゃない?」
そう思い、再び哺乳器に挑戦してもらいました。
でも結果は、もちろん失敗。
結局いつものようにシリンジへ逆戻りです。
今思うと、母猫の代わりになるなんて簡単なことじゃなかったんですよね。
そもそもノアが、母猫からちゃんとお乳をもらえていたのかもわかりません。
でも、小さなノアは毎日必死に生きようとしていました。
だから私も、「今できることを頑張ろう」
ただその気持ちだけで、お世話を続けていたんだと思います。
でも、次の心配が始まった
体重が100gを超え、へその緒も取れて、「ちゃんと成長してるんだ」と少し安心できた頃。
今度は別の心配が始まりました。
うんちが出ないのです。
1日目、2日目は順調に出ていたのに、3日目、4日目になると出なくなっていました。
もちろん、病院でもらったお世話のプリントには、
「哺乳期の子猫は、数日に1回くらいの排便でも大丈夫」
と書かれていました。
それでも私は気になります。
ミルクの量は?
お腹は張ってない?
苦しくない?
小さな体だからこそ、何を見ても不安になっていました。
排泄のお世話をするたびに、
「出るかな……」
そう思いながら、コットンで優しく刺激します。
でも、出ない。
ノアは相変わらず小さな手足をバタバタさせていて、元気そうには見える。
でも私は、「本当に大丈夫なのかな」と気になって仕方ありませんでした。
そして結局、また私は動物病院へ向かうことになります。
今思うと、この頃の私は、
少し安心しては心配して、
少し笑ってはまた不安になって、
その繰り返しでした。
でも、それが赤ちゃん猫との生活だったんだと思います。

100g超えたね、ノア…!

……でも、なんか出ない。
次回、
“うんちが出ない事件”で再び病院へ。

